減塩食のおいしさ評価

患者さんへの減塩指導には、医療関係者自身が減塩食を美味しいと感じることが重要です。
美味しい減塩食とはどんな味なのでしょうか。


私たちは病院の職員食堂に、1食あたり2.5gの減塩食の献立とリーフレットを提供してきました。
そして、その都度、減塩食の美味しさや献立の組み合わせについて評価を頂きました。

病院職員食堂に提供した減塩メニューは23種類あり、その献立を分類して、美味しさの評価との関係を調べました。

病院職員食堂に提供した減塩メニューは23種類ありました。
その献立を図のように分類し、毎回行われたアンケート結果との関係を調べました。

献立のパターンは、次の図のように5種類に分類されました。
・白ご飯の汁あり
・白ご飯の汁なし
・味付ご飯の汁あり
・味付けご飯の汁なし
・麺類
※味付ご飯とは、カレーライス、寿司、丼などのこと。
美味しいと評価されたものもあれば、味が物足りない、満足度に欠ける献立もありました。
この中から、美味しいと評価された献立は、白飯の汁あり、白飯の汁なし、味付ご飯の汁なし3種類でした。

味付ご飯の汁あり献立は、全体的に味が薄くなり、美味しいとは評価されませんでした。
また麺類は、提供する食塩量を2.5gにすること自体が難しく、工夫して提供しても高評価は得られませんでした。

美味しい減塩食は3パターン

この評価の高かった3種類の献立を、それぞれ「白飯定食型」「味付ご飯型」「主菜重視型」と名前をつけました。

美味しい減塩食の食塩比率

この3つパターンは、それぞれ献立も料理の組み合わせも異なりますが、なぜ美味しいと評価されたのか。
すると、美味しいと評価の高い献立の食塩の使い方にある一定の傾向があったのです。

減塩献立は1食あたりの食塩量が2.5g前後と決まっているのですが、その中の食塩の配分、いわゆる味のメリハリが大事だったのです。
美味しくない、味が薄いと評価されなかった献立は、肝心な主菜の味が薄かったり、汁物の食塩量が少なすぎたり、主菜と副菜の味のバランスが悪かったりと様々でしたが、味にメリハリのない献立でした。
この3つのパターンの詳細を説明します。

「白飯定食型」は、白飯+主菜+副菜(1-2品)+汁物
主食と汁物は食塩1.0g、副菜は1-3品でも0.5gが基本パターンです。
品数の満足度を上げるには、無塩、低塩の料理を活用します。
汁物に1.0gの食塩を使うと満足度が増します。

「主菜重視型」は、白飯+主菜+副菜(1-2品)
主菜にしっかり味をつけた時は汁物がなくても満足度は高くなります。
思い切り主菜に味をつけると、全く減塩に感じません。
ビーフシチューや麻婆豆腐などご飯と別々に供するものが相当します。

「味付ご飯型」は、味付ご飯+主菜+副菜(1-2品)
主食と主菜にしっかり味をつけると満足度は高くなります。
汁物を入れると肝心な料理の味が薄くなり、満足度に欠けます
炊き込みご飯など、主食より主菜の方の味を濃くします。
カレーライスや丼物など主食と主菜が一体型になる料理は、主菜重視型と同様です。
この3つのパターンの詳細を説明します。

「白飯定食型」は、白飯+主菜+副菜(1-2品)+汁物
主食と汁物は食塩1.0g、副菜は1-3品でも0.5gが基本パターンです。
品数の満足度を上げるには、無塩、低塩の料理を活用します。
汁物に1.0gの食塩を使うと満足度が増します。

「主菜重視型」は、白飯+主菜+副菜(1-2品)
主菜にしっかり味をつけた時は汁物がなくても満足度は高くなります。
思い切り主菜に味をつけると、全く減塩に感じません。
ビーフシチューや麻婆豆腐などご飯と別々に供するものが相当します。

「味付ご飯型」は、味付ご飯+主菜+副菜(1-2品)
主食と主菜にしっかり味をつけると満足度は高くなります。
汁物を入れると肝心な料理の味が薄くなり、満足度に欠けます
炊き込みご飯など、主食より主菜の方の味を濃くします。
カレーライスや丼物など主食と主菜が一体型になる料理は、主菜重視型と同様です。
【ちょっと一言】
食塩比率は喫食者の満足度に重要な要素です。
ジャストの比率でなくても結構ですので、減塩食を提供する前から喫食者の評価が想像できればいいですね。
今回は食塩2.5gの料理を想定しています。
実際の献立作成では指示食塩量の中で配分してみてくださいね。

提供した減塩食献立(例)

私たちが提供した食塩2.5g/食の減塩メニュー、健康メニューを示します。
病院職員食堂では、毎月20日の「減塩の日」に合わせて提供する減塩メニューと、人間ドック利用者に提供する健康メニューがあります。
 
 
減塩メニュー(1)
減塩メニュー(2)
人間ドック健康メニュー(1)
人間ドック健康メニュー(2)

減塩メニューの喫食者アンケート

病院職員食堂で提供した減塩食献立の満足度アンケートの全体評価の一例です(図)。
個々の料理の美味しさ、味付け、組み合わせなど、色々なご意見をいただきました。
減塩食を食べた満足度は全体の9割以上と、良い評価が得られています。
病院職員食堂で提供した減塩食献立の満足度アンケートの全体評価の一例です(図)。
個々の料理の美味しさ、味付け、組み合わせなど、色々なご意見をいただきました。
減塩食を食べた満足度は全体の9割以上と、良い評価が得られています。
◆減塩メニューの感想
* とっても美味しかったです。栄養だけでなく食事を楽しむという意味でも非常にバランスがとれていたと思います。
* しっかり味がついていると思った。どれもとってもおいしい。家庭でも作ってみようと思う。
* とても美味しかったです。ゆず和えの味付け知りたいです。
* これで食塩2.5gとは驚きです。毎日やってほしいくらいです。
* とてもおいしかったです。またお願いします。
* 花丸!美味しかったです。
 
◆お料理へのご希望
* このメニューもう一度食べたいです。
* これからもおいしいご飯をよろしくお願いします。 
* 減塩食の日をもっと多くしてほしい。 
* これからもお願いします。
【ちょっと一言】
医療関係者が美味しい減塩食を体験することは、診療で患者さんに減塩食を勧める際にイメージしやすくなります。
また、医療関係者ご自身の体を守るためにも大事な食事だと思います。