プロが用いる減塩工夫ランキング

減塩料理本を分析しました

本屋さんに行けば減塩の料理本が多数あります。
本を書いたプロの料理研究家や管理栄養士は減塩料理にどんな工夫をしているのでしょうか。

ある時期に大手書店で取り扱いがあった減塩料理本を16冊選びました。
その本に書かれている全ての料理に使われている料理を対象に、工夫を抽出してみました。
そのうち、主菜だけを取り上げると、主菜442献立に使われている減塩の工夫は全部で630個ありました。
平均すると1つの主菜に1-2個の工夫を使っていることになります。

減塩の主菜を美味しくする工夫ランキング

1位(174) 香味野菜
・・・減塩の決め手ではないが、風味や香り付け・トッピングとして幅広く用いられる。
2位(155) 油
・・・減塩効果の強い揚げ物をはじめ、和え物やドレッシングなど油の風味が用いられる。
3位(122) 香辛料
・・・和風、洋風、エスニックなど多種類の香辛料が、減塩でも美味しい味の決め手となる。
4位(111) 酸味
・・・酢、マヨネーズなど、味の中心から脇役までを担う減塩の代表的な存在。
5位( 68) 柑橘類
・・・和風でも洋風でも幅広く用いられる柑橘類。果汁、果肉、果皮が酸味と爽やかさを与える
この工夫には、どんな食材が使われたのでしょうか。
それを次に示します。

減塩工夫のアイテム

香味野菜:にんにく、ねぎ、生姜、しそ、セロリ、パセリなど
:オリーブオイル、ごま油、ラー油、ピーナッツオイルなど
香辛料:唐辛子、からし、粒マスタード、カレー粉、豆板醤、粉山椒、わさび、タバスコ、チリペッパー、塩麹、柚子胡椒、ナツメグ、八角、五香粉、コチュジャン、甜麺醤、ローズマリー、オリーブ、パプリカなど多数
:食酢、マヨネーズなど
柑橘類:レモン、オレンジ、グレープフルーツ、すだち、ゆず、みかん、ライムなど

また、この工夫は、どんな料理に使われたのでしょうか。
それを次に示します。

減塩工夫を使った料理名

香味野菜:クリームオムレツ、銀たらの野菜あんかけ、豚のおろし薬味かけ、鶏照り焼き山椒風
:鶏の唐揚げ、コロッケ、鯵の天ぷら、オムレツ、つくね焼き、ポークピカタ
香辛料:麻婆豆腐、アジの香草焼き、鯖のカレームニエル、豚キムチ、ロールキャベツ、鶏ささみの五香粉揚げ
・酢:あじの南蛮漬け、酢豚、棒々鶏、豚しゃぶ黒酢だれ、エビフライタルタルソース、さわらのネギマヨ焼
・柑橘類:イカのハーブ揚げ、鮭のホイル焼き、鶏肉のトマト煮、竜田揚げ、鶏肉のオレンジ煮
【ちょっと一言】
減塩指導にもよく登場する「調理の工夫」。
実は、知っているだけで圧倒的に減塩献立が立てやすくなるアイテムなのです。
管理栄養士なら献立作成では必ず使っている思いますが、患者さんに指導するときは、患者さんが普段食べている料理の中で、どのような工夫をどのように使うのか、具体的な説明が必要なのだと思います。
次のセクションでは、新しいエビデンスを用いた減塩指導方法を提案します。

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